ここんとこの読了本

黄金の指紋 (角川文庫 緑 304-83)横溝正史
今、乱歩の少年探偵団シリーズを読んでいるので頭がごっちゃになる。これは横溝による、少年探偵団的なジュブナイル。『怪獣男爵』の続編らしいけれど、単体でも楽しい。金田一が登場するまでの野々村少年の手際はほれぼれするほどよいのに、金田一登場以降、解決に至るのに紆余曲折しすぎな気がします。
学園都市ヴァラノワール―未来は薔薇の色 (ファミ通文庫)桜庭一樹
今や、直木賞作家となった桜庭一樹によるゲームノベライズ。女の子同士が仲良くしているお話が好きな人に。
深泥丘奇談 (幽BOOKS)綾辻行人
素敵な装丁の一冊。私は『サムザムシ』が一番気に入りました。こういうの好き。
風よ、緑よ、故郷よ (創元推理文庫)』『闇かがやく島へ (角川文庫―角川ミステリーコンペティション)』岩崎正吾
どちらの話も、基本構造は似ている。主人公が事件が起こる場に現れる。そこは小さい集落で、そこで事件が起こり、主人公が解決する。ただ、前者の『風よ』の方が出来がいい。後者は前者の秀作といったところ。前者は山梨が舞台と思われるが、方言は敢えて似せなかったとのことです。
復讐プランナー (14歳の世渡り術)あさのあつこ
このサブタイトルはなんだろ?(こういうシリーズの中の1冊のようです)14歳の少年がいじめにあう話なんだけど、これといった解決は示されない。もし、実際にいじめにあって、打開策が欲しくてこの本を手に取る児童生徒がいるとしたらやりきれない。物語とわかっていても、何か、もっと光明のある終わり方が出来たんじゃないかな。尻切れトンボのような中途半端さだけが残る。