10月の読書メーター

10月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:5107
ナイス数:83

幽霊たち幽霊たち感想
継実は妻を亡くしたことで酒に溺れ、入院。そこに刑事が訪ねてきて曰く、ある殺人犯が犯行は認めているが動機については黙秘の後、継実に聞けと言う。しかし、継実は加害者も被害者も知らない。すると、継実に取り憑いている幽霊の里沙が、四十年前のことを思い出せと言う。自分と従姉妹一家の奇妙な関係、叔父の拳銃乱射事件、不審火のこと。殺人事件の動機はどうやらそこにあるらしい。……過去編がメインの物語な訳だが、登場人物といい、起きた出来事といい、濃すぎてお腹一杯。西澤ワールド全開の物語でした…ちょっと胸焼け。
読了日:10月31日 著者:西澤 保彦
マトリョーシカ・ブラッド (文芸書)マトリョーシカ・ブラッド (文芸書)感想
彦坂刑事は五年前、警護の訴えを握り潰した。相手が、薬害事件の加害者側の人間で、自らも難病の子を抱え、他人事とは思えなかった。匿名の通報で山中から警護の対象であった香坂が発見される。五年前の訴えを無視したことを後悔する彦坂であったが、その後、次々と薬害事件の関係者が殺される。しかし、上層部から捜査に圧力がかかる。…色々な要素が詰め込まれ過ぎて却って焦点がぼやけている。横山秀夫を目指したのかもしらんが正直、力量不足。警護の訴えを退けたこととその後の刑事たちの苦悩のバランスが悪い。刑事達が多すぎてそれぞれの立場
読了日:10月29日 著者:呉勝浩
忘れられた花園 下忘れられた花園 下感想
(続き)は判明する。が、それぞれの登場人物の行動に疑問点があったり、三代に亘る物語のため登場人物が誰が誰やら分からなくなるところがあったりと読後もやもやが残る。まず、カサンドラが独立した時点でネル自らイギリスに行かなかったのは何故か。イライザがブローチを忘れること自体不可解だしその後も取りに行くチャンスはなかったのか?アデリーンはローズ亡き後イライザとアイヴォリーを亡き者にしようとするが、マウントラチェット家が断絶してもいいのか?等々。地図はいらないから人物一覧が欲しい。
読了日:10月28日 著者:ケイト・モートン
忘れられた花園 上忘れられた花園 上感想
カサンドラはオーストラリアの祖母ネルの元で暮らしていたがネル亡き後、叔母たちからネルが両親の実の娘ではなかったことを知らされる。また、祖母はカサンドラにイギリスのコテージを遺贈。「いずれその意図を理解してくれることを」との遺言に従い、コテージのある村へ向かう。カサンドラは4歳だったネルが何故、たった一人でオーストラリアに行きの船に乗ることになったのか、その秘密を解き明かすべく奔走する。…物語はカサンドラ、ネル、ネルの叔母のイライザパートが次々に交代する。最終的にネルが一人で航海することになった経緯(下へ)
読了日:10月28日 著者:ケイト・モートン
ベルリンは晴れているか (単行本)ベルリンは晴れているか (単行本)感想
1945年のベルリン。17歳のアウグステは語学を活かして米軍の食堂で働いていた。そこへソヴィエトの軍人が訪れ、かつての恩人、クリストフの死亡を告げ、参考人として彼女を連行する。アウグステは犯行を否認し、クリストフの甥エーリヒに訃報を伝えたいと訴える。甥をも疑うソ軍は土地勘のあるコソ泥の元俳優カフカを同行させ、戦後の混乱が残るドイツの街へ人探しの旅に出る。…これが現代パートで「幕間」に過去編、アウグステの幼少期が描かれる。……うーん、惜しい!クリストフ殺人事件の真相を追う旅の物語かと思いきや、ドイツが(続く
読了日:10月23日 著者:深緑 野分
誹謗 (ハヤカワ・ミステリ文庫)誹謗 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
法医人類学者のリネアは白骨死体を鑑定し、イラク人であると結論づける。大勢いる難民の一人だろうと捜査に乗り気でない警察に業を煮やし、白骨の復顔をしてその顔をマスコミに公表。するとその顔を見て震え上がるイラク帰還兵ヨーナス。同様にイラク人の死を知った闇ビジネスマンのラヴは事態に対処すべくプロの殺し屋を雇う。それぞれの思惑が絡み合った時、事件は起こる。…骨を愛するリネアがこの事件を独自で追う程の情熱が見えてこない。アレキサンドラとリネアが親友というのは流石にご都合主義ではないか。プロの殺し屋がしょぼい。
読了日:10月18日 著者:カーアン・ヴァズ・ブルーン,ベニ・ブトカ
ふたえ (祥伝社文庫)ふたえ (祥伝社文庫)感想
転校生の手代木麗華は教師を敵に回し、生徒にも言いたいことを言う性格で周りからは触らぬ神に…、と恐れられていた。手代木は修学旅行で、クラスの余り者たちと同じ班(通称、ぼっち班)になる。彼女は四日間京都漫画ミュージアムで過ごすことを強引に決める。手代木は二日目、教師の目を盗んでミュージアムを抜け出した。彼女が向かった先で事件は起こる。…長々とあらすじを書いてしまったが、これでもこの小説の要素の20%程度を説明しただけ。連作短編でぼっち班の面々の内面が描かれる
読了日:10月13日 著者:白河三兎
オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローンオスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン感想
森で6歳の少女が殺され、木に吊るされた状態で発見された。ある事件で左遷されていたホールゲルはこの事件の捜査の指揮をとるためオスロの本部に戻るよう命じられる。彼は同じ事件で休職中の同僚ミアを捜査班に加えるべく迎えに行く。彼女はこの事件が連続殺人になることをすぐに見抜いた。ミアの言葉を裏付けるように第二の犠牲者が発見、更に二人の少女が行方不明となる。ミアやホールゲン、新聞記者などに暗号めいた連絡をして、警察を翻弄する犯人。そしてついにホールゲンが目に入れても痛くない孫娘のマーリオンがターゲットに。(続く)
読了日:10月08日 著者:サムエル・ビョルク
兄弟の血―熊と踊れII 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)兄弟の血―熊と踊れII 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
再び前代未聞の強奪事件を企てる。兄弟に「協力」を申し出るが、拒絶。父親は酒を絶ち「人は変われる」と宣言。しかしレオは巧みに父親に近づき「家族の絆の再生」をエサに、自らの計画に引きこんでいた。
そして、満を持してレオは事件を起こす。レオはヨンに偽の手掛かりを仕込んでおり、まんまと引っ掛かるヨン。しかし、ヨンは「おまえがおれの兄貴を巻きこむなら、おれはお前の弟を巻きこんでやる」と強引に三男のヴィンセントを拘引する。事件は成功し、後は逃亡するだけとなったヨンとサム。(続く)
読了日:10月07日 著者:アンデシュ ルースルンド,ステファン トゥンベリ
兄弟の血―熊と踊れII 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)兄弟の血―熊と踊れII 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
物語はレオの出所の場面から始まる。レオの出所後すぐ、現金強奪事件が起きる。ヨンとエリサは苦悩するドヴィニヤック家の人々を巻き込みながら捜査を開始する。事件にレオの関与を感じるヨンだが、レオにはアリバイがあった上、ヨンの実兄サムが関与していることが分かった。実兄とのことを同僚には隠し通し、単独捜査に突っ走るヨンへの不信と疑念を募らせるエリサ。一方レオは、ヨンの実兄サムと刑務所で知り合い、共にヨンへの復讐を誓い合っていた。レオは「存在しないものを奪う」と宣言。(下へ続く)
読了日:10月07日 著者:アンデシュ ルースルンド,ステファン トゥンベリ
片桐大三郎とXYZの悲劇 (文春文庫)片桐大三郎とXYZの悲劇 (文春文庫)感想
往年の大スター片桐大三郎は耳が聞こえなくなり引退。その後は社長業の傍ら、謎解きにも精を出す。…耳の聞こえない往年のスター、凶器は毒針にマンドリンと分かりやすくクイーンの3部+1作への愛に溢れた短編集。謎解きも毎回趣向が凝っていてミステリーとしてとても読み応えあり。更に、毎回片桐大三郎の伝記が挿入され、探偵(片桐)が皆を集めてさてと言う前には自らの芸能人生で特に印象的だったエピソードを披露するという片桐ファンにはたまらない一冊(片桐大三郎は架空の人物…のはず)。最後のは特にヤラレタ!
読了日:10月06日 著者:倉知 淳
弁護士アイゼンベルク (創元推理文庫)弁護士アイゼンベルク (創元推理文庫)感想
女子大生が殺され、容疑者の弁護を担当することになった女弁護士ラヘル・アイゼンベルク。容疑者は今はホームレスだが、元は物理学者であり元彼のハイコ・ゲルラッハだった。ラヘルはゲルラッハの無実を信じて真犯人を探すが彼は何かを隠している様子で弁護を妨げる行動に出る。一方、コソボからドイツに向かう女性とその娘の逃亡劇が過去の出来事として挿入される。二つの物語はどこで交わるのか。真犯人は誰なのか?…主人公の女弁護士に魅力を感じない。気に入らない受付嬢を気分で解雇しようとしたり、潔癖症でこだわりが強かったり。(続く)
読了日:10月02日 著者:アンドレアス・フェーア

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