『機巧館のかぞえ唄 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社青い鳥文庫)』はやみねかおる

同シリーズ6作目。前5冊は既読。ドラマは見ていません。
児童書レーベルだが、毎回趣向を凝らしたミステリを書いているシリーズ。子どもだけでなく、ミステリ(新本格系?)を読み慣れた人が「にやり」とするような記述も満載で大人も楽しめる……ってことを狙っているんだろうな。けどそれが続くと流石に鼻につく。今回は、作中作と見立て殺人をやりたかったんだろうけど、あまりにも色々なところからモチーフを引っ張りすぎていて、不出来なパッチワークのよう。コメディタッチにしようとしている部分も、面白くない。そしてずっと思っていたんだけど、主役の三つ子は「けっこうかわいくてモテる」ということになっているが、絵に説得力がない。巻を重ねているということはそれなりに売れているということなのか。子どもが読めば面白いのかもしれないけれど随所に見られる思わせぶりな記述に惑わされないことを願うのみ。

機巧館のかぞえ唄 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社青い鳥文庫)

機巧館のかぞえ唄 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社青い鳥文庫)