『しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)』畠中恵

評判がいいことを聞いていたものの、積んでいた文庫でした。
京極夏彦+高里椎奈÷2という感じ。妖怪が登場するのだけれど、殺人事件は妖怪とは関係なしに解決して欲しかった。ラストの、ジャンプ系マンガのように、闘い→大団円のまとめ方はどうなのか。一太郎の秘密(?)はシリーズ後半で使うエピソードとして、この巻は殺人事件の解決に主眼を置いて欲しかった。まぁ、これがデビュー作で、シリーズ化することを予期できなかったのだから仕方ないけれども。
推理小説という感じでもないし、キャラクター小説という感じもしない。それほどキャラを立てようというつもりがないのかもしれない。それは好感の持てるスタンスでした。
主人公の若だんなは、お金持ちのおぼっちゃんで、彼が尋常でない量のお金を使うシーンがたびたび登場するのだけれど、単位の違いか、若だんなの持っているキャラクター性なのか、嫌な感じは一切しない。体の弱いおぼっちゃまに対して私が母性本能を発揮しているだけか?男性が読むと「けっ!嫌な奴」と思うのだろうか?
期待値が高かったから、不満点が出てしまったのが残念。面白くて、楽しく読んだのだけれど。デビュー作でこの力量はすごい。次回作以降も楽しみに読みたい(今度は、もう少し期待値を下げて・・・)

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)