『女に生まれてみたものの。』菅野彰

Web連載の単行本化。”女度”を上げるために各地で修行をする…というまとめでいいのかな?
作者のエッセイの代表作『asin:4403541305:title』のノリを想像するとその趣の違いに驚くかもしれない。笑いどころは沢山あるのだけれど、何故か最後にしんみりする。と言っても所謂「泣かせ」系ではない。作者があとがきで書いているように、この本は、作者が日本各地で様々な分野の第一人者と出会い、体験学習(?)を通じて、その分野の奥深さと、いろいろいろいろ簡単にはまとめられないことを考えさせられる話。…書いてて気付いたけどウルルンみたいなものか…?
特に印象的なのは、第五回の長州紀行と第八回の会津紀行。他県の私にはこの確執がとても理解できないのだけれど、それでも、生まれた場所によって背負うものと、過去の出来事に馳せる思いを、少しは味わえたんじゃないかと、思う。長州と会津の方には是非この2章だけでも読んでいただきたい。