『asin:4004311128:title』堤未果

超大国アメリカ。色々な意味で世界一の国であるアメリカだけれど、その実態はこれなのか。悲惨の一言に尽きる。
子供の肥満の問題も、医療費の問題も恐ろしいが、戦争の問題が一番印象に残った。今や戦争は「民営化」している。(「民営化」というキーワードは他の問題全てに関わるのだが)。戦地に送られるのは「派遣社員」。彼らは戦争の是非とか善悪とか以前に「食べるため」に戦地に行く。そこにはアメリカの貧困層に混じって日本人の姿もあった。
私は難しいことは分からないのだけれど、品物と引き換えにされる貨幣。それとは別の数字だけのお金が、国境や民族を超えて行き来している。その渦中で「普通に」生きる人々が職を失い家も持てず満足な食べ物すら得ることができない。これが超大国アメリカの実態なのか。私たちはまだ、ここまで行ってない。でもこのままではこうなってしまう。貧困大国日本はすぐそこまで来ている。