ここんとこの読了本

貴志祐介悪の教典 上』『悪の教典 下
旬のものをすっかり読まなくなって久しいですが、これは理由あって読んじゃいました。面白かった!上下巻だけど一気に読んでしまいました。
事前にネットで見た書評その他では「トリックがちゃちい」というのが多かった気がするんですが、そもそもそこはこの物語の主眼じゃないからいいんじゃ?と思います。読み終えて、冷静に考えると突っ込みどころは多いんですが、それでもこの分量を一気に読ませてしまうのはすごい。作者は主人公の『蓮実聖司』という男の物語を書きたかったのだ…という点で「黒い家」と似ている感じもします。楡周平的に「蓮実聖司」シリーズを想定しているのかも。大義名分のためなら殺人を犯しても構わない、というテーマが多い作家がありますが、貴志ものはそれと似ているようで、違う(「青の炎」とか)。つきつめると、何故、人を殺してはいけないのか?という、遠藤周作的な問いが現れる気がします。
綾辻行人Another
巷の評判がよかったので、一応ファンとしは逆に不安だったのですが(失礼)大変面白く読めました。この物語、最初はゲームシナリオだったんじゃないかな?という感じがします。主人公と、アヤナミ的な少女が出会って、学校とか、人形の館とか病院とかのイベントがあって、連続殺人があって…みたいな。3組の謎が判明するまでと、判明して後の謎解き。ミステリではなくてホラーだけど、ある原則に則って謎が解けるのはミステリの文法ということでいいのかな?まぁそんなややこしいことはともかく(それを言ったら犯人めちゃめちゃアンフェアだし)、こちらも、厚みはあるけどさっくり読めました。
高村薫福澤サーガ読みました!
晴子情歌 上』『晴子情歌 下』『新リア王 上』『新リア王 下』『太陽を曳く馬〈上〉』『太陽を曳く馬〈下〉
『晴子』を読んで青森の暗い歴史に思いを馳せました。松ナントカいう俳優は青森のむつ市出身だそうです。私は北海道も秋田も岩手も行ったことあるのに、青森はないのです。行きたい。新幹線で。
『新リ』以降はもう…。すみません理解できてません。最近、某大物政治家の秘書の写真が新聞に載ってました。今まで、秘書というと政治化の手足。ただのロボットとしか思えませんでしたが、この作品を読んだ後では、秘書にも色々あるのだなぁと思いました。すみません学のない私の感想はこんな程度です。
『太陽』はひたすら仏教とオウムについて書かれているんですが、これを、地下鉄千代田線内で読んでました(たまたまです)。
読みながら某つぶやきで感想を小出しにしてたので再録します。

2011年01月15日(土)
ゆうべ眠れなくて読んでた本では不眠症の登場人物が自らの戦争体験をひたすら語ってた。滅入る…。そして今は眠いのにまだ寝るわけにいかない不条理。

2011年01月16日(日)
青森にとって新幹線はどれほどの夢だったことだろう。それに奔走した当事者の多くは恐らく開通を見る前に亡くなっただろう。それくらい長い年月がかかって為された事業だったのか。具体的には中曽根首相の頃からむしろそれよりもずっと前から。

青森に核燃料施設があることも新幹線開通と無縁ではないのだろう。また、青森は農業もあり漁業もある。農業は定期的な凶作や減反問題。そして漁業ではロシアとの海域問題。

常に国から、目の前に新幹線開通という飴をちらつかされながら、さまざまな鞭を受け入れてきた県だったのか。(今読んでる本の読みかけ感想覚書)

青森県史を、とりあえず新幹線開通に絞って著したとしても、相当のボリュームになるんだろうな…。

関東にいて、特に教養もない私にとって青森はただの本州北端の県でしかない。新幹線開通は記憶に新しいが空港もあるし特に用事もない突端の県に新幹線が通ったことは特に印象的な出来事ではなかった。

凶作といえば岩手。減反といえば秋田や新潟。北の海域問題といえば北海道。そんな印象がある。これが私だけでなければ青森が抱えた問題は他県民の意識にはのぼりにくかったのかもしれない。

2011年01月17日(月)
帰省の意味で帰青の表記。最初誤植かと思ったが青森に帰るの意味か。そして深読みするなら、青森は故郷ではないということか。

2011年01月18日(火)
今日の読売新聞の夕刊に漁業で不正の記事。違法操業ってロシアに賄賂をしても成り立つものなのか。

2011年01月20日(木)
おはようございます。旦那の子供を別の女が妊娠していて、周りから同情されたり、当の女からめそめそ泣かれたりする。その女も人妻で、4人目の子供になる。私には子供は一人もいないので周りは同情しつつも、その子が生まれたら養子にもらえばちょうどいい、と内心思ってる。という夢を見た。