ここんとこの読了本

今年最後の更新になるでしょうか。今年もお世話になりました。
一年の総括(個人的に)。
震災がありました。
三浦哲郎はゆっくりと読み進めています。
図書館戦争を読みました。
児玉清さんが亡くなりました。
ゴーストハントリライト版が終わりました。
図書館を利用しています。
藤本泉を読みました。辻村深月を読みました。
ミステリーランドをいくつか読みました。
読書会に向けて、賞ものと新人作品をいくつか読みました。
数年ぶりに、京極夏彦を読みました。同じく、柳美里を読みました。
京極夏彦といえば、新刊が文庫で出るのは嬉しい。
結局、電子書籍には手を出しませんでした。Twitterで大矢博子さんが電子書籍の現状を簡単にまとめていて下さって、それがとてもわかりやすかった。

三浦 しをん『舟を編む』『ふむふむ―おしえて、お仕事!
どちらも割と特殊な職業がテーマの片方は小説で片方はインタビュー集。
「舟」はボリュームはすごく少ないのに、長いものを読んだような満足感があった。作品の構成もそうだけど、辞書を編纂するというその仕事に携わってきた人々。一代ではなし得なくて、多くの人に連綿とバトンが受け渡されていること。その悠久の時間を感じたんじゃないかと思う。でも、辞書編纂のお話だけど、いつもの通りの愉快な三浦しをん節なので電車で読む時は注意。(私は、ザブトンのエピソードに思わず噴き出しちゃったよ…西岡さんのエピソードは全部好き)。
中田永一くちびるに歌を
今までの中田永一とはちょっと違う。ちょっと違ってすごくいい(何のパクリだ)。小説って、読みながら、なんとなく先の展開を想像してしまうけど、これは、その予想はだいたい外れると思う。今までの作品は、最初から意図を持って読者を誘導して最後に「あっ」と言わせる仕掛けがあったけれど、これにはそれがない。ないんじゃなくて、読者の、なんとなくされる予想を作者は裏切ってくれる。そのことが「あっ」なんじゃないかな。
高木彬光白昼の死角―長編推理小説 (1960年) (カッパ・ノベルス)』『能面殺人事件 日本推理作家協会賞受賞作全集 (4)
『白昼』は読みながら「まんま、クロサギやん」と思った。よく考えなくてもクロサギの方が後発なのでこの作品をヒントにしているのか、それとも詐欺の手口はだいたいこんなもんなのか。時代は戦後すぐだけど古さは感じない。かつて、角川映画になって一世を風靡したそうだ(『人間の照明』と同じようなポジション)がそのことは知らなかった。どうりで、私が読んだカッパノベルズ版は初版昭和35年。昭和57年で104刷。いわゆるベストセラーだったのか。それにしては長さもあるし、活字も、今の文庫やノベルズと比べてとても小さい。内容は、普段本を読まない人が面白く読めるほどは読みやすくはない気がする。それとも昔は読書人口が今より多かったので、普段本を読む人が買っただけでベストセラーになりえたのか。