2014年5月の読書メーター

2014年5月の読書メーター
読んだ本の数:34冊
読んだページ数:9333ページ
ナイス数:78ナイス

猫の縁談 (中公文庫)猫の縁談 (中公文庫)感想
文庫裏表紙の解説「猫と古本屋の摩訶不思議な物語」を信じていいのは表題作の『猫の縁談』だけ。『とつおいつ』はホラーだし、『腹中石』は、嘘か誠か知らぬが古書店の商売の裏が見えて面白い。『そつじながら』と『阿弥陀』は古書と戦争というテーマがある。また、裏表紙の解説にある「奇妙な人々」がどいつもこいつもくせ者過ぎる。本好きな人に悪い人はいないというのはただの幻想で、むしろたちの悪い人が多いというのは私の経験を元にした偽らざる実感だがこの作品それを必要以上に思い出させてくれた。これが初めての作品集だなんて!
読了日:5月31日 著者:出久根達郎
春待ちの姫君たち (創元推理文庫)春待ちの姫君たち (創元推理文庫)感想
思わせぶりで大袈裟な書き方に最初は戸惑ったが、挿入される舞台のモチーフから演劇的な演出であると納得できた。物語ではあまりいい役ではないが、一番わかりやすく健全な成長をしたのは舞だと思う。例えば、サロメを首切ったメンヘラ女の話と片付けてしまうと身もフタもない。この作品も、ミステリーを期待すると肩透かし。舞台を楽しんで下さい。
読了日:5月30日 著者:友桐夏
首折り男のための協奏曲首折り男のための協奏曲感想
取り留めがないとも言えるし、全部繋がってるようにも見える。細部を見ると不規則な模様だけど、少し離れたり角度を変えて見ると一枚の絵が浮かび上がる感じ。どこを切り取っても伊坂ワールドで、いつまでもその住人でいたかった。余は満足じゃ。
読了日:5月28日 著者:伊坂幸太郎
鷹野鍼灸院の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)鷹野鍼灸院の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
今月発売のはずが書店で見つからず何軒もはしごした。『首長竜』『海鳥』の作者による、普通の(?)ミステリー。あの独特の雰囲気が味わえないのは惜しいがこれはこれでよかった。鍼灸のウンチクと事件の深刻さをキャラクターたちのユーモアが救っていてとてもバランスがいい。私は一気読みしてしまったが、空き時間に読み進めるのに、ちょうどいい。ところでこの作品には無関係だが、最後に読書メーターに要望。読みたい本を読んだら自動的に読みたい本から削除してほしい。
読了日:5月27日 著者:乾緑郎
本の魔法 (朝日文庫)本の魔法 (朝日文庫)感想
文庫化で再読。カラーページがないのが残念。本は作家だけの力でできるのではなく、装丁家や編集者や、それだけでもなくて彼らが出会った人々、体験、風景を通して完成するものなのだと感じた。そして、いい本を読むと、自分語りがしたくなる。こうして読書系SNSで感想を簡単に共有できるようになったけれども、読書体験とは極めると個人的なものになっていくのかなと思った。一冊の本は世界への入り口のドアで、ということは乱読気味の私は次々とドアを開けているだけか。その奥の世界にも目を向ける豊かな読書をしたくなった。
読了日:5月26日 著者:司修
夜露死苦現代詩 (ちくま文庫)夜露死苦現代詩 (ちくま文庫)感想
毎日少しずつ読み進めていた。なぜならもったいないから。けどついに読み終わってしまった。詩に限らず、「言葉」で食べるということ。そこにはブンガクという象牙の塔で安住している者にはわからない「リアル」がある。人はパンのみにて、と言う時のパン意外のものは高尚な詩ではなくこういう言葉なのではないか。
読了日:5月26日 著者:都築響一
パズルゲーム☆ラグジュアリー 2 (白泉社レディースコミックス)パズルゲーム☆ラグジュアリー 2 (白泉社レディースコミックス)感想
小池真理子の『恋』は本当にいい!PLでもそういうの読みたい。
読了日:5月26日 著者:野間美由紀
ふったらどしゃぶり When it rains, it pours (フルール文庫 ブルーライン)ふったらどしゃぶり When it rains, it pours (フルール文庫 ブルーライン)感想
東海大学前駅啓文堂で衝動買い&一気読み。三浦しをんの推薦はいまのとこ外れなしです。
読了日:5月26日 著者:一穂ミチ
フライ・バイ・ワイヤフライ・バイ・ワイヤ感想
転入生はロボットだった!犯人の動機に繋がるxxxを、謎の主眼に置いたのが面白かった。誰?より何故?のミステリーでした。
読了日:5月25日 著者:石持浅海
胸の火は消えず (創元推理文庫)胸の火は消えず (創元推理文庫)感想
ホラーより怪談より幽霊譚という言い方が一番しっくり来る気がします。幽霊は死者とは限らない。人の思想や観念が幽霊という形で現れ、そしてそれを認識する人がいて初めて幽霊という現象が出現するのだと思いました。日本と西洋の幽霊は違うとよく言われますが、四ツ谷怪談などの古典の怪談と近いものを感じました。
読了日:5月24日 著者:メイ・シンクレア
聖☆おにいさん(10)特装版 (モーニングKC)聖☆おにいさん(10)特装版 (モーニングKC)
読了日:5月23日 著者:中村光
私のなかの彼女私のなかの彼女感想
物書きの「業」
読了日:5月22日 著者:角田光代
薔薇を拒む (講談社文庫)薔薇を拒む (講談社文庫)感想
この味はこの作者でないと出せないと思わせる作家の一人。巷に溢れる、ハートフルだとか心温まるだとか泣けるだとかそういう物語じゃないものを読みたいのだ。というと非情な救いのない話のように思われるかもしれない。確かに後味はよくない。かといってそれだけではない。この読後感は癖になります。
読了日:5月20日 著者:近藤史恵
おひとり様物語(5) (ワイドKC キス)おひとり様物語(5) (ワイドKC キス)
読了日:5月20日 著者:谷川史子
サマーサイダー (文春文庫)サマーサイダー (文春文庫)感想
題名からさわやかな夏の青春小説を想像したり243から入った人は驚くだろう。元々蝉は得意じゃないけどこれ読むとますます苦手になる。ホラー要素だけ取り出すと完全にグロいだけの物語だが、青春小説の要素が救っている。まるで、腐臭立ち込める空間に吹いてきた一筋の外気のような。いろいろな意味でトラウマになりそうな作品。(文庫化で再読)
読了日:5月18日 著者:壁井ユカコ
悪いやつの物語 (ちくま文学の森)悪いやつの物語 (ちくま文学の森)感想
囈語:暗記したい、昼日中:シンプルなミステリ、金庫:意外な結末、白象:皮肉、コーラス:不思議な後味。この物語の悪人は誰?、ソース:後味最悪。食事しながら読むの厳禁、道:お伽話のような幻想的な世界がよかった、ばら:本ばかり読んでいてはいけませんね、山:曰く、惚れたが悪いか。手紙:女は怖いね。やや冗長か。
読了日:5月18日 著者:
それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)感想
サンドイッチとスープを用意して読みはじめてください。
読了日:5月17日 著者:吉田篤弘
グッドバイ・ママ (河出文庫)グッドバイ・ママ (河出文庫)感想
集団の中での孤立感が無意味な会話の羅列によって表現され、じわじわと追い詰められていく。同じところをぐるぐる回る山手線のシーンで始まり終わる。追い詰められながらどこにも出口がない主人公の女性の状況がそれと重なる。輪の中から脱出するには、なにもかも、名前も捨てて行くしかないのか。
読了日:5月16日 著者:柳美里
あいの、うた (Holly NOVELS)あいの、うた (Holly NOVELS)
読了日:5月15日 著者:木原音瀬
ヴィヨンの妻 (新潮文庫)ヴィヨンの妻 (新潮文庫)感想
太宰治展に行くため再読。『親友交歓』は何度も読んでいるがそのたびに面白い。作品からはいい家庭人というイメージは全くないが、太宰展でよき父親らしい写真を見て、改めて太宰の偽悪というか露悪というか照れのようなものを感じた。今年は太宰治生誕105年だそうだ。この文庫の解説を書いている亀井勝一郎の弔辞の筆文字が目に浮かぶ。享年39歳。文学において最も大切なものは「心づくし」。太宰のその心が、没後60年以上たっても人々に愛される理由だと感じた。
読了日:5月13日 著者:太宰治
まっすぐ進め (河出文庫)まっすぐ進め (河出文庫)
読了日:5月13日 著者:石持浅海
長女たち長女たち感想
中編集。中でも『ミッション』の、医師の頼子と僧侶の会話は圧巻。人間の尊厳とは何か。長生きは本当に幸福なのか。還暦を迎えてから旅立つ巡礼は、棄民でしかないのか。命はどこにあるのか。ーーと重いテーマです。題名で引かないで、ぜひ男性にも読んでいただきたい。装丁も素敵な本です。この先当分この作品を超える作品には出会えないと思う。
読了日:5月11日 著者:篠田節子
井伏鱒二随聞(ずいもん)井伏鱒二随聞(ずいもん)
読了日:5月10日 著者:河盛好蔵
カラマーゾフの妹カラマーゾフの妹
読了日:5月9日 著者:高野史緒
姉の結婚 7 (フラワーコミックスアルファ)姉の結婚 7 (フラワーコミックスアルファ)
読了日:5月9日 著者:西炯子
高遠少年の事件簿 (少年マガジンコミックス)高遠少年の事件簿 (少年マガジンコミックス)
読了日:5月9日 著者:さとうふみや
山手線探偵 (ポプラ文庫 日本文学)山手線探偵 (ポプラ文庫 日本文学)
読了日:5月8日 著者:七尾与史
神のふたつの貌 (文春文庫)神のふたつの貌 (文春文庫)
読了日:5月7日 著者:貫井徳郎
さようなら、と君は手を振った (Holly NOVELS)さようなら、と君は手を振った (Holly NOVELS)
読了日:5月6日 著者:木原音瀬
おふくろの夜回り (文春文庫)おふくろの夜回り (文春文庫)
読了日:5月6日 著者:三浦哲郎
白夜の忌 三浦哲郎と私白夜の忌 三浦哲郎と私感想
作者は三浦哲郎の大学の同級生(年齢は3歳下)であり、あすなろ社という出版社の創業者である。大学に入学してすぐに知己になり、亡くなるまで(亡くなった後も)続いた交友の記録が淡々とした筆致で綴られている。『「青春の手紙」のこと』の章は特に胸を打たれた。個人的な想像だが、三浦哲郎が作者に迷惑をかけたことも多々あっただろう。そういうエピソードもなくもないが、それは最小限にとどめられている。抑えた表現の中にどれほどの(盟友を失った悲しみ、文学を志し挫折したこと、等等)思いがあるのだろう。
読了日:5月5日 著者:
亡霊ふたり (ミステリ・フロンティア)亡霊ふたり (ミステリ・フロンティア)
読了日:5月4日 著者:詠坂雄二
漫画版 野武士のグルメ漫画版 野武士のグルメ
読了日:5月4日 著者:久住昌之,土山しげる
電氣人�瑶の虞 (光文社文庫)電氣人�瑶の虞 (光文社文庫)感想
最後の一文が一番好きです。
読了日:5月1日 著者:詠坂雄二

読書メーター