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8月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:3054
ナイス数:67

消えない月消えない月感想
マッサージ師のさくらはある日、常連客の松原から告白され、交際することになった。しかし付き合ううち、松原に対する違和感が増大していきある日LINEで別れを告げる。松原はそれを認めずストーカー行為が始まった。…胸糞!同僚の木崎の言うことも一理ある。さくらの対応もよくないところはあった。でもそうするとこの小説成り立たない。さくらが逃げても逃げても追ってくる松原を月に例える描写が秀逸過ぎて吐き気がするほど。こういう、頭は悪くないのに言葉や理屈が一切通じない人って本当に怖い…。
読了日:08月29日 著者:畑野 智美
天国通り殺人事件 (創元推理文庫)天国通り殺人事件 (創元推理文庫)感想
元刑事の「レミング」が一人呑んでいると絡んでくる男がいた。失恋の痛手も重なり思わず挑発に乗ってしまう。するとそこに小男が現れ、狙撃。結果、元刑事は被害者と加害者の中間地点に佇んでいた。追われるレミングは真犯人を見つけられるのか。オーストリア発ミステリ。…独特の持って回った言い方の文章に慣れず。レミングは無実だけど、捜査手続き上、手記だけで冤罪晴れるのか。物語上のキーパーソンが名前だけしか登場しないのもいい余韻だった。ただ、この作品に限らないけど、警官が悪役とか、犯人がサイコパス野郎とかはもうお腹一杯…。
読了日:08月28日 著者:シュテファン・スルペツキ
ブルーローズは眠らないブルーローズは眠らない感想
マリアと漣の刑事コンビが青バラの作出に成功した博士を秘密裏に捜査していた矢先、当の博士が密室状態の温室から生首の状態で発見される。一方、山中の一軒家の主はある日、虐待を受けていた家出少年を保護する。しかしそれは悲劇の始まりだった。…見取り図よりも人物一覧が欲しい。化学式まで持ち出した青バラの蘊蓄、必要?動機に対して手段が迂遠過ぎるし、そもそも過去の事件も目的と手段が釣り合ってない。密室は遺伝子操作で一晩で急成長する蔦だった、ってオチかと思った。青バラは事件と全く無関係のマニアが盗むという想定はないのか。
読了日:08月28日 著者:市川 憂人
豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件感想
何だこのタイトル…?表題作は舞台設定に面食らうものの全てはこの題名の通りの殺人事件を成立させるつもりだったのだと納得。『変奏曲.ABC』はホラーのような意外な展開に驚愕。クリスティー女史も喜びそう。最後は安心の猫丸先輩。トリックに意外性はないけど、人間離れした佇まいと一瞬で周りの人をメロメロにしちゃう手管は猫そのもの。また会いたいです。
読了日:08月26日 著者:倉知 淳
恋敵と虹彩~イエスかノーか半分か番外篇2~ (ディアプラス文庫)恋敵と虹彩~イエスかノーか半分か番外篇2~ (ディアプラス文庫)感想
竜起にライバル現る編。中途採用の恵の世話を任された深。恵は竜起の幼なじみな上に色々拗らせてて、実は竜起を追いかけて旭テレビに入社したことがわかった。優秀な恵に深は次第に信頼を寄せていく一方、恵は必要以上に深になついてしまう。竜起とのことを言えない深は悩みつつ、恵の気持ちも分かって完全に無下にはできない。そのことが竜起にばれてしまう…!なっちゃん、小悪魔!そして竜起の「持ってる」感は恵でなくてもムカつくわ!何そのメロス。いやそこがいいアンビバレント。計と潮は今回割と美味しい役で登場します。
読了日:08月25日 著者:一穂 ミチ
ワカコ酒 11 (ゼノンコミックス)ワカコ酒 11 (ゼノンコミックス)
読了日:08月25日 著者:新久千映
ドラゴンファイア Arknoah 2 (集英社文庫)ドラゴンファイア Arknoah 2 (集英社文庫)感想
アークノアの世界に新たな異邦人マリナがやってきた。と同時に生み出された怪物は火を吐き攻撃をする。リゼたちは討伐に向かい、氷の城で対決する。
陰キャの主人公が世界に絶望しながらも最後には「それでも世界と繋がろうとする」系の安っぽい物語に「もうそういうのうんざりなんだよ」と思ってた。そこは流石、乙一。いい意味で読者を裏切ってくれる。世界の秩序を守るために異物を排除するリゼは何者なのか。アールの行方も含めて続編が楽しみで仕方ない。
読了日:08月22日 著者:乙一
彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? Wシリーズ (講談社タイガ)彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? Wシリーズ (講談社タイガ)
読了日:08月19日 著者:森博嗣
とりかえばや物語 (文春文庫 た 3-51)とりかえばや物語 (文春文庫 た 3-51)感想
さいとうちほの漫画版を読んだので脳内補完されて困った。さて、夏雲は自らの欲望に忠実で春風からの評価は散々だが、複数の妻を持つのはこの時代普通のことだし、子供の養育もちゃんとするから実は悪い奴でもない。どちらかというと、男に戻った秋月の方が酷いのでは。あちこちで子供を作っては放置したりと今の価値観では図れないところも多い物語だけど、栄華を極めていた春風が、出世を断念せざるを得なかったのは「出産」というところは千年前も今も変わらないというのは、多分、名もない作者も予想しなかった皮肉じゃないだろうか。
読了日:08月18日 著者:田辺 聖子
銀魂―ぎんたま― 74 (ジャンプコミックス)銀魂―ぎんたま― 74 (ジャンプコミックス)
読了日:08月10日 著者:空知 英秋
ちはやふる(39) (BE LOVE KC)ちはやふる(39) (BE LOVE KC)
読了日:08月10日 著者:末次 由紀
ブラックボックス化する現代 変容する潜在認知ブラックボックス化する現代 変容する潜在認知感想
印象に残った箇所→p79「相当高い確率で、原発過酷事故の危機はまたくるだろう。その時に、やはり相当高い確率で最善の対処はできないだろう。そして相当高い確率で、当事者がまた国民に事態を隠蔽するだろう。この一連の予測に筆者は、認知神経学者としてのアイデンティティを賭けてもいい」p165からの・AIに「意識」はあるのか。そもそも「意識」とは何か。チューリングテストのレベルが上がっていった先には?p187からのパラリンピックとオリンピックの境界の話などリアルSFという趣で興味深かった。

読了日:08月09日 著者:下條 信輔
開けられたパンドラの箱開けられたパンドラの箱感想
相模原に住み、福祉に携わる者として看過できない気持ちで本書を手に取った。障害者(被告の主張は「心失者」)は死ぬべきだと思っている人はいるだろうし、思っているだけなら自由だ。だが、何故、彼がその一線を越えてしまったのか、彼の主張を読んでも理解できたとは思えない。本書では事件後に見直されることとなった措置入院について複数の精神科医が言及している。措置入院が犯行に至る背中を押したのではないかと。実際、精神科に通院している者が法を犯しても刑事罰に処されない例は私も現場で何度も見てきている。
読了日:08月04日 著者:月刊『創』編集部編

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