7月の読了本

黒後家蜘蛛の会〈5〉 (創元推理文庫)アイザックアシモフ
さよなら妖精 (創元推理文庫)米澤穂信
芥川竜之介の推理 (角川文庫)他6篇』土屋隆夫(→絶版:参考【bk1】
おいしいコーヒーのいれ方 (10) 夢のあとさき (JUMP j BOOKS)村山由佳, 志田光
乱鴉の島有栖川有栖感想
猫丸先輩の空論 (講談社ノベルス)倉知淳
砂漠伊坂幸太郎
ローマ帽子の謎 (創元推理文庫 104-5)エラリー・クイーン
執筆前夜―女性作家10人が語る、プロの仕事の舞台裏。 (ラセ)』CW編集部
人面瘡 金田一耕助ファイル 6 (角川文庫―金田一耕助ファイル)横溝正史
魔神の遊戯 (文春文庫)島田荘司
マリア様がみてる 24 仮面のアクトレス (コバルト文庫)今野緒雪


適当な感想。

「黒後家5」月1ペースで読んできた黒後家がやっと終わり(シリーズは未完)。有栖川有栖の解説が秀逸。手に取るのをためらっている人は読んでみるといいと思う。マンネリとか、巻を追うごとにつまらなくなるとかいう評判を聞いていたので、期待していたよりは面白かった。素晴らしきマンネリズム
「妖精」恥ずかしながらユーゴスラビア情勢に疎いので、最後まで読んでも衝撃を受けなかった。この作者の独特なミステリの描き方をテクニックだと思っていたけれど、素なのか?ミステリ仕立てにしなくてもよかったと思う。
「芥川」絶版。小説雑誌の読みきり推理小説。(初出がそうです)
「おいコー」帯に「クライマックス」とあるから最終回かと思ったら、違った。相変わらず背筋が痒くなる台詞の羅列。
「猫丸先輩」勿体無くて積んでいた本。やっぱり、猫丸先輩はいい。身近にいたらやだけど。ヤラレタ…と思っても憎めない。説教臭くないところがいい。
「砂漠」評価高いだけはあった。素晴らしい。徹夜で読んでしまった。読者の先読みをわざと外すが、それがいい演出となって面白さを倍増している。今まで伊坂ベストは「陽気なギャング」だったけれど今後は断然これ。直木賞は惜しかったが、読者は、もっと面白い作品を待っている。
「ローマ帽子」こっちが本家なのに法月親子を連想してしまう。燕尾服にはシルクハットが必須、らしい。そして、解決編を読むと、クイーン親子は早い段階で犯人の目星はついている。けれど読者を騙すために様々な関係者に事情聴取する。なので、クイーン親子の行動から犯人を推測するのは難しい。
「執筆」初出年月が書いてないのが不親切。未読の作家の中には、興味はあるものの出会いのきっかけがなかったせいで読んでいないのだと思っていたが、インタビューを読んで「やっぱり読まなくていいや」と思った。
「人面」タイトルを「死姦」に改めるべきだと思う。最初の三篇がそれ。表題作が一番つまらなく、最初の「睡れる花嫁」が一番いい。(JETの漫画化で先に読んでいたけれど。漫画版の方が私は好き)
「魔神」再び島田荘司節か…と思ったが、それは最初だけ。酔っぱらい作家の語り口で楽しく読めた。あの仕掛けには早い段階から気付くけれど、その先は予想できなかった…というよりあっさりしすぎ。
「仮面」まだ引っ張りますか。とはいえそろそろ祥子さま卒業が見えてきた。先代薔薇さまが登場しないのが意外だった。