ここんとこの読了本

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今年も更新頻度はこんな感じで行くと思います。
…ていうか、最近気付いたんだけど、私がここを更新するタイミングって、マリみての新刊が出た時と一緒な気がしてきた。
ユタとふしぎな仲間たち (新潮文庫)三浦哲郎
三浦哲郎(マイ)ブームはまだ終わりません。ていうかまだ全然読み残しているし。去年の年末の新聞等に掲載されている、去年に亡くなった著名人の中に、井上ひさしは入っているのに三浦哲郎は抜けていたりするのが切ないです。
でもってこの作品。三浦哲郎入門としては一番手に取りやすいかもしれない。児童書だけど、大人が読んでも充分面白い。今江祥智が解説で全てを説明しているのでここに書くことはありません。(私は『木馬の旗手』を子供が読んで、トラウマを植えつけるのもそれはそれでいいような気もするけれども)
マリア様がみてる 36 ステップ (コバルト文庫)今野緒雪
私はマニアではないので、矛盾があってもあんまり気にしません。
二枚舌は極楽へ行く (FUTABA・NOVELS)蒼井上鷹
ミステリというよりショートショートの趣。多分、作中にいくつもギミックが仕掛けられているのだろうけれど、すみません。私の読解力では理解しきれませんでした。
雪虫 (中公文庫)堂場瞬一
かなり厚いし、最初は挫折しそうになったけど、慣れたら面白く読めました。物語の展開は、ある意味二時間ドラマ的でとても分かりやすい。偶然が多すぎるとか、動機が弱いとか、色々と突っ込みどころはあるものの、そこもまた二時間ドラマ的か。
騙し絵の檻 (創元推理文庫)』 ジルマゴーン
フーダニットのお手本のような作品。登場人物が多くてややこしいけどそこさえクリアすれば。
バブルズはご機嫌ななめ (講談社文庫)』S.ストロマイヤー
主人公がすっごく軽い(何しろ名前が「バブルズ」)村野ミロ。ちょっと表紙に引くけど、案外この外見が曲者かもしれないと思う。主人公はいわゆる…あんまり賢くない美容師で、彼女が探偵役。その通り、思わず「おい!」と突っ込みを入れたくなる行動や言動を次々と引き起こしてくれるんだけど、実は彼女、自分が、そして周りに思われているほどばかじゃない。そしてこれは当然だけどバブルズイコール作者ではない。作者は相当頭のいい人で、バブルズの頭の悪さもかなり計算して書いているんじゃないかという気がする。もちろん、物語の展開として、ご都合主義なところは沢山あるのだけれど、導入や構成は実はなかなかうまい。解説によると、この作品はシリーズ化しているらしいが日本ではあまり人気が出なかったんだろう。これ以上の翻訳はされていないようだ。ちょっと読んでみたい気もするんだけどな。惜しい。
唇のあとに続くすべてのこと (光文社文庫)永井するみ
藤倉が、いまいち魅力的じゃないんだよなぁ。そこに同調できないとただの不倫ポルノを読んでいる気がしてしまう。あと、これは書かれた時代がそうなんだろうけど、とってもバブル臭。世代的に合わなかったのかも。
天使などいない (光文社文庫)永井するみ
短編集。最初の「別れてほしい」がよかった。それ以外はミステリとしては、短編なので枚数の制約もあったのかもだけど、ちょっと強引な気がする。どちらかというと、「別れて」以外の8編の主人公が主役で、事件はなくていいので中篇くらいの物語になっていたらよかった。