ここんとこの読了本

寒いです。寝床で横になって本を読むことが多いのですが(視力が落ちるのでよい子は真似しないで下さい)、本を支える手を布団の外に出しているだけで寒くて震えることもしばしばです。暖房も冷房もいらない快適な季節で心置きなく本を読みたいものです(結局やることは同じ)。
綾辻行人奇面館の殺人 (講談社ノベルス)
年明け早々から館の新刊が読めるなんて、今年は何ていい年でしょう!
島田荘司龍臥亭幻想 上 (カッパノベルス)』『龍臥亭幻想 下 (カッパノベルス)
綾辻を読んだら島荘が読みたくなって積読を崩しました。
穂村弘にょにょっ記 (文春文庫)』『短歌の友人 (河出文庫)
「にょにょ」は前作を読んでいないのだけど文庫化をきっかけに読みました。前作は評判が高いので、読んでしまうのがもったいないのです。「友人」は、短歌の解説書。私は、短歌の鑑賞の仕方としては大変邪道だとは思いますが、日経新聞の投稿短歌の欄が好きです。投稿の歌も勿論面白いのですが、穂村氏による解説が面白いのです。載せる歌を半分にして解説を増やして欲しいと思いますが、そういう鑑賞の仕方ばかりではいけないのでしょう。解説が書かれていない歌の解説を、自分なりに考えてみたりすることもありますが、それもなかなか難しいのです。どうしても、読んで「うん、いいな」で終わってしまう。だから「うん、いいな」と思う歌を分かりやすく教えてくれるこの文庫は、難しいところもありましたが、面白かったしためになりました。
堂場瞬一ヒート
今回は駅伝じゃなくてマラソンが題材。前回は「学連選抜」について「へー」と思ったが今回はマラソンについて「へー」と思えた。3部構成で前半2部まではまぁ、お約束というか、分かりやすい展開(それでも充分面白いですが)。この調子で最終章も、と思ったら予想の斜め上の展開で本当に面白かった。全体の約3分の1がフルマラソンのシーンに費やされていて、これがすごくよかった。こういうラストが好きなのね作者。前作の読者へも嬉しいサービスあり。
樋口有介ピース (中公文庫)
このタイトル、この表紙でこの内容!意外で面白かったわぁ。
川瀬七緒よろずのことに気をつけよ
玖村まゆみ完盗オンサイト
乾緑郎【映画化】完全なる首長竜の日 (『このミステリーがすごい! 』大賞シリーズ)
喜多喜久 『ラブ・ケミストリー
荒井曜 『慈しむ男
以上5冊は読書会対策で受賞作を読みました。ABCD(Aがよい、Dは論外)で「完盗」A「首長」B「ラブ」C「慈」D「よろず」は読書会までに読了間に合わず評価できませんでした。
「完盗」は読書会での評価は低かったが、私は面白かった。読みやすかったし、登場人物が、読者の予想をやや外れた行動をとるところが面白かった。キャラがとてもいい。「首長」は文章がダントツによかったし(特に書き出しがすごい)内容もすごくいい。けれど私はSFが苦手なので一段階下げさせていただいた。「ラブ」はまぁ商業出版としてはいいんじゃないかな。「慈」は色々なベストセラーの要素をコラージュしただけ。最初が一番面白くて最後に向かってグダグダ。