2015年12月の読書メーター

2015年12月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4355ページ
ナイス数:56ナイス

東京結合人間東京結合人間感想
とことんエログロ。狙ってる感はあるが、私も嫌いじゃないのでね。楽しませていただきました。孤島の密室殺人と、このエログロな設定がここまでリンクするとは。作者の頭の中はどうなってるんだろ?(褒めてるつもり)
読了日:12月28日 著者:白井智之
戦場のコックたち戦場のコックたち感想
『オーブラン』で魅せてくれた深緑野分、二作目にしてこのミス2位と直木賞候補。期待値はいやがうえにも高まり、結果、読んでよかった。あらすじ紹介からほのぼの日常の謎系を想像していたけど、とんでもなく大きな間違い。ではどんな物語か?ジャンルに規定できないので、読んだ人に感じてほしい。大きいテーマはあるけれど、小さいエピソードも細部まで手を抜かず、丁寧に描かれている。そのため、想像もつかない世界(時代は少し、昔でしかないのだけれど)がリアルに感じられる。要するに、どこにでも、人間はいるのだと。少しだけ、泣いた。
読了日:12月27日 著者:深緑野分
深山の桜 (『このミス』大賞シリーズ)深山の桜 (『このミス』大賞シリーズ)感想
五賞用。キャラ立ち、設定、プロットはとてもよい。んだけど、読者に伝わりづらいのがとても惜しい。作者は元自衛官自衛隊を取り巻くもろもろに思うところがあり、それが執筆の動機と思うが、商業誌であれば、物語(読者)に必要な情報とその提示の仕方はもう少し練って欲しい。B
読了日:12月24日 著者:神家正成
殺人者たちの王 (創元推理文庫)殺人者たちの王 (創元推理文庫)感想
ええー!ここで終わるのか!

ニューヨークデビューしたジャズの前に立ちはだかるのは、またもシリアルキラー。今回は手強くてジャズにも相手のことが見えてこない。ちらつく父親の影。ジャズ自身の家庭問題と、青少年らしい性の悩み。これらが同時に襲いかかる!田舎町ノボス・ロッドのズッコケ三人組はそれぞれ、地元と大都会ニューヨークで大ピンチに陥る!以下次号!刮目して待て!
読了日:12月23日 著者:バリー・ライガ
いなくなった私へ (『このミス』大賞シリーズ)いなくなった私へ (『このミス』大賞シリーズ)感想
五賞用。死んだはずなのに、別人として生まれ変わるという設定と主人公の造形が分かりづらかった。結局、ゾンビではなく人間(生まれ変わり?)のようだけど、問題は周りに認識されないことではなく無戸籍で生きていく困難さでは?(男性はどうやって大学入学したんだろう?少年の義務教育はどうするのだ?)伝説の泉とカルトと主人公たちに起きていることのリンクがしっくりしていない。ラスト付近、まとめようとして、展開に無理を感じる。惜しい。改稿の余地はまだあったが、とりあえず最後まで面白く読めた。B++
読了日:12月18日 著者:辻堂ゆめ
セブン (ハルキ文庫 い 15-2)セブン (ハルキ文庫 い 15-2)
読了日:12月18日 著者:乾くるみ
とりかえ・ばや 8 (フラワーコミックスアルファ)とりかえ・ばや 8 (フラワーコミックスアルファ)
読了日:12月14日 著者:さいとうちほ
ブラインド探偵(アイ) (実業之日本社文庫)ブラインド探偵(アイ) (実業之日本社文庫)感想
五賞用。やけにリアルな描写と思ったら、作者本人が中途失明者だったとは!昨年の某賞受賞作も主人公は中途失明者だったが、違和感ありまくりだったのでつい比較して感心することしきり。その要素は脇に置いても、盲目の探偵が昨今流行りの超能力的なものを使うことなく盲目故の感覚で事件を解決していく物語にあっという間に引き込まれた。悲しい結末でも、全体に漂う明るく前向きな雰囲気は逆にこちらが励まされているようだった。探偵が事件に関わる流れもとても自然で、新人であることを忘れさせる。視覚障害への理解も深まった。A
読了日:12月9日 著者:米田京
さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)感想
五賞用。感想は一言、惜しい!作者はおそらく横溝好きなんだろうけど無理に嵐の孤島とか例のトリックとか使った中編を書かないで「ゆるやかな日常」路線のままでよかったのに。そしたら、さとり世代の、タック・タカチものになっていったかもしれないのに。(いずれ長編にするにしても。早かった)特に例のトリック出てきたところでかなりがっかりした。作者のせいばかりでもないのかもしれないが。文章も雰囲気もよかった。B++
読了日:12月9日 著者:九頭竜正志
厭な物語 (文春文庫)厭な物語 (文春文庫)感想
シャーリー・ジャクソンの『くじ』目当てに読んだが、他の作品もとてもよかった。(異色作家短編集の再版希望!)クリスティー女史はありふれた物語だが、ラストで強く印象に残る。『うしろをみるな』はオチは読めたが説得力はさすが。全体的に枚数のバランスがよくてリズムよく読めたのは作品の力もさることながら、作品の選定と配置に細かい配慮がされているからだろう。良質のアンソロジーでした。
読了日:12月8日 著者:アガサクリスティー,モーリスルヴェル,ジョー・R.ランズデール,シャーリイジャクスン,パトリシアハイスミス
うそつき、うそつきうそつき、うそつき感想
五賞用。「政府によって嘘を判定する首輪(殺傷能力あり)の装着を義務づけられた世界」の設定はマイナンバー制度が実現した今では特に目新しいものではない。ただ、強制的に装着させられた人ではなく、首輪を外す技術を持った少年が、首輪の制度(そもそも嘘とは何か)とその物理的技術に図らずも対抗していく物語というのは新しい視点であるように感じた。ラストも意外な気がした。ただ、構成に必然性がなく、大部分を設定の説明に費やしているのが惜しい。その分内面描写やエピソードが欲しかった。B
読了日:12月6日 著者:清水杜氏彦
BLUE GIANT 7 (ビッグコミックススペシャル)BLUE GIANT 7 (ビッグコミックススペシャル)
読了日:12月5日 著者:石塚真一
天満明星池天満明星池感想
五賞用。探偵役が固定してないところが逆に新鮮。お駒と奉行を生かし切れてない。期待値はいい。謎解きの場面はもう少し丁寧な説明が欲しかった。B+
読了日:12月5日 著者:加瀬政広

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