2月の読書メーター

2月の読書メーター
読んだ本の数:28
読んだページ数:8010
ナイス数:153

ダークナンバー (ハヤカワ・ミステリワールド)ダークナンバー (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
準キャリア警察官の渡辺敦子は無表情な外見とは裏腹に事件解決の為なら自分が囮になることも厭わない。そんな彼女の暴走を時には利用し時には体を張って止めるのが中学の同級生で今はテレビ局のスタッフとなった土方玲衣。東京の連続放火事件と埼玉の連続ひったくりに関連性を見出だした二人は犯人逮捕の切り札を切る。この二人の個性が強くて事件も霞むほど。ミステリー的に雑なところは所々あるが、最終章の警察とテレビクルーの両者の緊迫したシーンは実に圧巻。ところで、実はカヤが全ての黒幕だったら超こええな…。
読了日:02月27日 著者:長沢樹
パズルゲーム☆プレステージ 2 (ボニータコミックス)パズルゲーム☆プレステージ 2 (ボニータコミックス)感想
サクシードよりこっちのシリーズのが好き。懐かしい面子が登場するのも嬉しい。
読了日:02月26日 著者:野間美由紀
郵便配達人 花木瞳子が顧り見る (TO文庫)郵便配達人 花木瞳子が顧り見る (TO文庫)感想
今回は花木瞳子の過去編ちゅうこうとでミステリーのトリックはお馴染みのアレだがそこはともかくミズノンも再登場して読みごたえある巻でした。ゆうても亜子はどうやって生きてきたのか、遺体移動はどうやって?とか色々突っ込みどころは多いが。グロ薄くなってきたが犯人の基○外度が上がって精神に応える。
読了日:02月26日 著者:二宮敦人
ちはやふる(37) (BE LOVE KC)ちはやふる(37) (BE LOVE KC)
読了日:02月25日 著者:末次 由紀
渇きと偽り (ハヤカワ・ミステリ)渇きと偽り (ハヤカワ・ミステリ)感想
20年振りに故郷の田舎町に帰ってきたフォーク。帰郷の理由は友人ルークの葬式だった。ルークは妻子を銃殺し自殺したと思われていたがその両親から事件の再捜査を依頼される。また、フォークが故郷を追われたのは当時溺死したガールフレンドの死に関わっていたことを疑われていたからだが、真相を知っていたかもしれないルークは死んでしまった。閉鎖的な田舎町を描かせたら英国女性作家の右に出るものはいない。現代編の犯人の悪癖は伏線不足で唐突。結局二つの事件に有機的なつながりはなく後味悪し。被害者の日記で真相というのも…うーん。
読了日:02月25日 著者:ジェイン・ハーパー
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(2) (講談社コミックス)金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(2) (講談社コミックス)感想
手探り感のあった前巻と比べて、フォーマットが出来上がって読みやすい。絵も安定してきたというかより原作に近づいていて作者の愛と努力を感じる。この調子で続いていって欲しい。
読了日:02月25日 著者:船津 紳平
郵便配達人 花木瞳子が仰ぎ見る (TO文庫)郵便配達人 花木瞳子が仰ぎ見る (TO文庫)感想
郵便蘊蓄と連続殺人鬼シリーズ。今回は前回ほど読者に犯人を隠そうという意図がなくバレバレだったけどそもそもフーダニットじゃないしなぁ。あの殺害方法に意味はあったのか?単にグロい話が書きたかっただけでは?
読了日:02月25日 著者:二宮敦人
乙嫁語り 10巻 (ハルタコミックス)乙嫁語り 10巻 (ハルタコミックス)感想
アミルのにーちゃんには及ばないが、カルルクさんがかっこよくなってきた!アミル実家とカルルクさんが仲良くしてるのは微笑ましい。アミルにーちゃんにティレケさんが嫁いだらどうだろ。そして再開。
読了日:02月25日 著者:森 薫
とりかえ・ばや 13 (フラワーコミックスアルファ)とりかえ・ばや 13 (フラワーコミックスアルファ)感想
最終回に詰め込みすぎ。12巻かけて引っ張ったのにここにきて一気に展開してしまって残念…。
読了日:02月25日 著者:さいとう ちほ
郵便配達人 花木瞳子が盗み見る (TO文庫)郵便配達人 花木瞳子が盗み見る (TO文庫)感想
郵便配達人花木瞳子の冒険譚。普通にハートフルな物語にしたらいいのにどうしてこうグロくなってしまったのか。個人的には嫌いじゃないけど…。
読了日:02月23日 著者:二宮敦人
誰もわたしを倒せない (創元推理文庫)誰もわたしを倒せない (創元推理文庫)感想
格闘技の世界で起こる殺人事件。他殺か?事故か?驚愕のラスト!格闘技オタクの新人城島とベテランの三瓶刑事のコンビがいいので格闘技関係ない続編希望。作者の意図は分かるが事件が解決しないまま次の話でしかも時間も経過してるという構成は読者の集中力を維持できない。大オチも第一話でほぼ見えるし。結局描きたかったのは寿仁?犬飼優二?そこがぶれていた気がする。
読了日:02月23日 著者:伯方 雪日
未必のマクベス (ハヤカワ・ミステリワールド)未必のマクベス (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
中井優一は出張で立ち寄った澳門のカジノでカイザーを名乗る人物から株券の購入を勧められる。ホテルで娼婦から予言を受けた彼はその後、運命に導かれるように香港の現地法人の社長に任命される。ICカードの暗号化を巡った陰謀に巻き込まれていく。誰が敵で味方か?
サスペンスフルな導入だがそのような物語にありがちな主人公=中井が分かりやすい性格でないため物語がどう転んで行くのかが読めず、最後まで緊張感を持って読めた。マクベスの隠喩もあって高村薫の雰囲気を感じた。
読了日:02月22日 著者:早瀬耕
マカロンはマカロン (創元クライム・クラブ)マカロンはマカロン (創元クライム・クラブ)感想
一つ一つのの物語は短くてあっという間に読み終えてしまうのにこの余韻と満足感は本当に素晴らしい!まさに料理そのもの。甘い恋愛のお話も、ほろ苦さも必要な味としてすとん、と入って来る。大好きなシリーズでいつも堪能させていただいているが、敢えて欠点を挙げればお腹が減ってしまうことかも。
読了日:02月19日 著者:近藤 史恵
モップの精は旅に出るモップの精は旅に出る感想
清掃員のキリコが事件を解決する物語。4作のうち前半は英会話スクールを舞台にしたもの。最後の一作はキリコ自身に降りかかった謎を解き明かす。おしゃれでてきぱき働き、よく気がついて頭の回転も早いキリコはやっぱり魅力的。でも、何でもできるように見える彼女にもどうしょうもうないことがある。素敵なキリコにもう会えないのは寂しいけど、彼女が教えてくれたことを胸に抱いて私は私が主役の人生を生きよう。
読了日:02月18日 著者:近藤 史恵
幸福書房の四十年 ピカピカの本屋でなくちゃ!幸福書房の四十年 ピカピカの本屋でなくちゃ!感想
大好きだった書店が閉店する。ただただ、悲しい。私の成分の一部は確かに幸福書房でできている。ありがとう。いい書店でした。追記。この本のデザインが嬉しい。このカバー大好きだった!
読了日:02月18日 著者:岩楯幸雄
月夜に溺れる月夜に溺れる感想
女刑事真下霧生はバツ2で種違いの一男一女を儲けるが長男は元夫が養育。聡明な長女とシングルマザーの生活。惚れっぽさはアラサーになっても変わらず、ビビッときた相手が容疑者なんてこともしばしば。…離婚歴があり惚れっぽいのは男の専売特許にあらず。かといって女版ハードボイルド物と一線を画すこの真下という刑事が最初は全く好きになれなかったが最終的にその魅力に抗えなかった。経歴が災いして出世は望めないものの、妙なカンを発揮し、警察署内では(元夫の計らいもあり)遊軍扱いで現場に赴いて解決に導く。
読了日:02月17日 著者:長沢 樹
放課後スプリング・トレイン (創元推理文庫)放課後スプリング・トレイン (創元推理文庫)感想
福岡を舞台にした、女子高生と大学生探偵の日常の謎系。終始、色や科学や数学等理系科目の話題が多かったが謎に直接関係はなくただの物語の彩りであったのがやや肩透かしな印象。続編を想定してるのかもだがそれにしてはキャラの魅力が書き込み不足に感じる。なので、大オチの内容自体よりそのことの意味が捉えにくくてどこに驚くべきかよく分からなくなってしまった。
読了日:02月13日 著者:吉野 泉
武蔵野アンダーワールド・セブン―多重迷宮―武蔵野アンダーワールド・セブン―多重迷宮―感想
違法地下建築物内を探検する大学生が殺される事件が勃発する中、故人である大物政治家の孫娘摩耶から相続した別荘の地下への入口捜索を依頼された藤間。彼らは極秘利に新潟へ向かう。
本作はエピソード2にあたるのだろう。刊行はこちらが先だが時系列は次巻が過去。なので設定だけ提示されて何が謎なのか、最後までこの作品の重心を理解できないままだった。大オチは一応あるがうーん、今更そのネタ?と思ってしまうことは否めない。
読了日:02月12日 著者:長沢 樹
我ら荒野の七重奏我ら荒野の七重奏感想
ミセス·ブルドーザーこと陽子の活躍がまた読めて嬉しい。本作とはちょっとずれるけど、役員は専業主婦vs会社員という図式になりがちだろうけど、会社員でも遥のように夜勤があったり土日関係ない仕事をしている人や、もっと言うと、家族のための用事で有給を取ることも難しい人もいるだろう。あんたの代わりなんかいくらでもいるんだよ?ってな具合に。陽子は努力も勿論のこと仕事でも家庭でもその有能ぶりを遺憾なく発揮していくがそういう能力のない人もない人なりに生きて行かなきゃならないよな、って思いました。
読了日:02月10日 著者:加納 朋子
遠い唇遠い唇感想
学生の頃、お世話になった先生に久しぶりにお会いした。外見は当時より老いていらっしゃるが中身は変わらずむしろ、私が学生時代より読書量が増えている(とはいえ、先生と比べられるはずもないが!)ことから、先生のおっしゃっていることがより分かるようになったんじゃないか…なんて、驕りかしら。先生、いつまでもお元気で。また遊びに来てもいいですがと語りかけると先生はいつでもいらっしゃいと変わらぬお姿で快諾していただけた。…という夢想をしました。
読了日:02月09日 著者:北村 薫
7人目の子(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)7人目の子(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
読了日:02月08日 著者:エーリク ヴァレア
7人目の子(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)7人目の子(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
孤児院にいた7人の子のうち、今や大統領に次ぐ権力を持つ政治家の私生児は一体誰?7人のうちの一人である院長の養子マリーは独自に調査を始める。
自分の都合でかなり飛び飛びで読んでしまったのでストーリーを追うのが困難だった。事実と語り手の言っていることの区別がつきにくい。登場人物も多いしなかなか手強いミステリーでした。
読了日:02月08日 著者:エーリク ヴァレア
狩人の悪夢狩人の悪夢感想
必ず悪夢を見るという夢守荘に招待されたアリス。翌日、近くの空き家で女性の死体が発見される。彼女には右手首がなく別人の手形が血液で捺されていた。
幾つか違和感。手首問題が最大。渡瀬氏と被害者の人物像と関係性のエピソード不足でもやもやが残る。被害者強かそうだしそんなヤバい話を空き家でするかな。第二の被害者の行動も含めて物語上ご都合主義に見えてしまう。大御所だからそこんとこ察してなのか物語上の余韻ということなのか。
読了日:02月08日 著者:有栖川 有栖
Q&A (幻冬舎文庫)Q&A (幻冬舎文庫)感想
巨大ショッピングモールで60人を超える死者が出たあの事件はただの集団ヒステリーだったのか…?『藪の中』式にインタビューで構成されているので読み進むほど事件の真相が明らかになるかと思いきや、事件そのものというより事件によって何だかきな臭い出来事が起きていることを読者に知らせる。パニックものといういわばありきたりなジャンルをリアルタイムではなくインタビューという形式で現したことでよりリアルで不気味で。やっぱり一番怖いのは人の心だとしみじみ背筋がぞくぞくする素晴らしいホラーでした。
読了日:02月05日 著者:恩田 陸
少年少女飛行倶楽部少年少女飛行倶楽部感想
主人公の海月と書いてみづき(中1)はひょんなことから「飛行クラブ」に入部。幼馴染の樹絵里や変人部長斎藤神らに翻弄される日々。彼らは空を飛べるのか…?よく「中学生の頃に戻りたい」なんて言い方をするけれどもそれが「あの頃は悩みが何もなかった」なんて思ってる人は読まないほうがいい。中学生にだっていろいろある。むしろほぼ強制的に親に依存、学校に所属させられ自分から環境を変えるのは難しいというそれ何て無理ゲ?な生活。その中で、間違い、悩む。特別すごい力なんてなくても、なんかすごいこともできちゃうんだって思った。
読了日:02月05日 著者:加納 朋子
岩窟姫 (文芸書)岩窟姫 (文芸書)感想
主人公、蓮美の親友で同じ芸能事務所の沙霧がある日SNSの日記を残して自殺した。そこには蓮美に身に覚えのない不仲や飲酒の強要について書かれており、蓮美は追われる。自らの無実を証明しようと動き始める蓮美の周りで事件が起きる。真相は何なのか?
幾つか細かい違和感はあったが予想外に後味は悪くなかった。女子同士のドロドロ度は低め。登場人物のほとんどに性格や行動が裏表がないのは物語を分かりやすくするためか。ただ、最後の大どんでん返しは不自然だし蛇足に感じた。
読了日:02月04日 著者:近藤史恵
アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)感想
怪物が怪物の事件を解決する物語。ファンタジーな設定だけど登場人物が人外の者であるだけで、むしろ遊び心のある探偵譚だ。伏線もあるしぜひ続編を読みたいと思わせる。感じたのは作者の異形の者に対する眼差し。異形はそのまま異なる人と言い換えてもいい。作中、登場人物に異形と人間は共存できないと言わせている。2編目はもっと顕著で、異形を安全な場所から見物して娯楽に資す人々は勿論、理解者のふりをしつつ心底では拒絶していた人に対して大変厳しい扱いをしている。中途半端に関わることや偽善を心底嫌悪する潔癖さを感じた
読了日:02月04日 著者:青崎 有吾
おしい刑事 (ポプラ文庫)おしい刑事 (ポプラ文庫)感想
デビュー作『神様の裏の顔』(横溝正史賞)が気に入って何となく追いかけている作家。今回は、推理は途中まで合ってるのに詰めが甘かったり予想外の手がかりが現れて推理を外してしまう惜しいもとい押井刑事のお話。よく考えると惜しい推理は歴代の名探偵はみんなやってると言っても過言ではないしそれが推理の手法として確立してる人もいる。作者に古典を揶揄する意図はないのだろうし、惜しい推理と本人のキャラを面白がるべきなんだろうな。あからさまに古典の名作を押井刑事風にリメイクしてくれたらいいのにな、とちょっと思っちゃいました。
読了日:02月01日 著者:藤崎 翔

読書メーター