3月の読書メーター

3月の読書メーター
読んだ本の数:26
読んだページ数:7373
ナイス数:117

私のサイクロプス私のサイクロプス感想
輪主役の表題作がとてもよかったのでもう一度読みたかったが後はずっと耳彦語り手。書き下ろしは先生の出生の秘密編。怖くてグロいけれどどこかに切なさがある。そして、耳彦のちゃらんぽらんさが深刻さを打ち消している、いいバランス。耳彦はどうしても好きになれないけど、耳彦語りの、どこまで本当なのか紙一重なところもよい。
読了日:03月31日 著者:山白 朝子
鬼灯の冷徹(26) (モーニング KC)鬼灯の冷徹(26) (モーニング KC)
読了日:03月31日 著者:江口 夏実
銀魂―ぎんたま― 72 (ジャンプコミックス)銀魂―ぎんたま― 72 (ジャンプコミックス)
読了日:03月31日 著者:空知 英秋
ワカコ酒 10 (ゼノンコミックス)ワカコ酒 10 (ゼノンコミックス)
読了日:03月31日 著者:新久千映
裁く眼裁く眼感想
袴田鉄雄はひょんなことから法廷で絵を描くことになった。被告人はその美貌から魔女と言われ、二人の元交際相手を自殺に見せかけて殺害した罪に問われていた。初の絵がテレビ放映された日、鉄雄は自宅前で何者かに襲われる。被告人は無罪なのか、鉄雄を襲った犯人との関連は。
結局、この物語のメインは、鉄雄の絵の不思議な力の謎。それに比べると他の謎は粗末というか、読者の興味はそこに向く。鉄雄の姪とか交番の刑事とか、魅力的なキャラも多いのでシリーズ化してもいいんじゃないかな?面白かったです。
読了日:03月30日 著者:我孫子 武丸
湖畔荘〈下〉湖畔荘〈下〉感想
事件から70年も経過しているため、捜査は結局のところ故人(幼児の両親)の手紙や日記を検分して真相は明らかとなる。時代性、上流階級であったことから十分な捜査が行われなかったことは仕方ないが、当時もう少し調べられなかったのか?という肩透かし感は否めない。けれど更にそこからの「こんなこともあろうかと」的真相が用意されているのでご安心を。反戦文学ではないけれども、二つの戦争が人々の運命を大きく変えてしまった話であり、子を欲する母の愛と狂気の紙一重のところを描いている話でもある。一気読みでした。
読了日:03月30日 著者:ケイト・モートン
湖畔荘〈上〉湖畔荘〈上〉感想
イギリスのコーンウォールを舞台に、謹慎中の女刑事が70年前の幼児失踪事件の真相を追う。仄めかしを描かせたら世界一?単純にあらすじだけ追うならこの分量は必要ない。が、女刑事自身の問題、現在進行形の(刑事が謹慎することになった)事件が絡み合いながら物語りは進む。関係者の多くは亡くなっている。が、現在は有名なミステリ作家になっている幼児の姉が、全てを知り70年間黙秘していたと思わせぶりに思わせておいて実は彼女も知らない大きな事実があったことを仄めかして上巻は終わる。
読了日:03月30日 著者:ケイト・モートン
古時計の秘密 (創元推理文庫)古時計の秘密 (創元推理文庫)感想
弁護士の父を持つ少女探偵ナンシーが活躍するシリーズの第一作目。18歳の少女が車を乗り回したり父の仕事に口を出して父もそれを容認しているなど違和感がなくもないが、物語は起承転結、勧善懲悪で安心して読める。子供の頃読んだ翻訳の児童文学の雰囲気を思い出した。解説によると、国民的人気シリーズとのことで、作者の名前も特定の個人を差すものではないことに驚き。日本だと水戸黄門を様々な監督や脚本家が作っているという感覚か。作者の寿命に囚われず、世代を越えて受け継がれていく物語っていいなと思った。
読了日:03月29日 著者:キャロリン キーン
野良猫を尊敬した日野良猫を尊敬した日感想
お馴染みのエッセー集。自虐は一周回ってもうネタですか?と思う。だって、(体も心も)弱くて、清く正しくもなく、こんな自分が生きていてもいいですかと問いているが、結婚して会社員を17年勤め上げて、夢を叶えて(書店に自分の本が並ぶ)家賃を払って生活を維持している。敢えて言えば少し自分に自信がないことが欠点か。作者を神と慕う読者も多いだろう。けどまぁ、自信満々でセレブリティな穂村弘はあんまり見たくないなぁ。
読了日:03月23日 著者:穂村 弘
どうか、天国に届きませんように (集英社オレンジ文庫)どうか、天国に届きませんように (集英社オレンジ文庫)感想
呪われた力を持った私/僕が不幸になる話…なんだそりゃ?オムニバス短編集だけど無理に繋げなくてもよかった。奇妙な語り口と必ずしも明確にオチがないことが独特の世界観を演出してる。初期の乙一に近い雰囲気を感じる。何か妙に癖になる作家。人が一番怖いのは、お化けや暗闇でなく、孤独なのかも。その事が一番恐怖じゃないかな。
読了日:03月21日 著者:長谷川 夕
いくさの底いくさの底感想
ミャンマーの村に駐屯する日本軍。賀川隊長は村長から歓迎されるが村人はどこかよそよそしい態度であった。ある日、賀川が殺され、続けて村長も殺される。犯人は、自軍?敵兵?村民?動機は?…ある意味、復讐譚なのだけれど、戦争、軍、村、民族が単純な物語を複雑にする。建前と現実と本音の間に翻弄されるのは結局、人。それも弱い立場の人だ。事実は隠ぺいされるから実態も不明。闇に葬り去られる存在だとしても、生きていくことはできる。それが唯一の抵抗かもしれない。
読了日:03月21日 著者:古処 誠二
皇帝と拳銃と皇帝と拳銃と感想
死神こと乙姫とイケメン鈴木の刑事コンビが事件を解決する連作短編集。死神は単なる設定以上の意味がないなら描写は毎回だとしつこい。コロンボ形式で完全犯罪をやり遂げたと自信満々な犯人の前に現れる処刑人という意味なのだろうけど。動機は物より感情なところと『汀』がよかった。それより死神こと乙姫刑事が脳内で滑川@3月のライオンになって、笑いを堪えきれなかった…。
読了日:03月19日 著者:倉知 淳
銀魂―ぎんたま― 71 (ジャンプコミックス)銀魂―ぎんたま― 71 (ジャンプコミックス)
読了日:03月17日 著者:空知 英秋
銀魂―ぎんたま― 70 (ジャンプコミックス)銀魂―ぎんたま― 70 (ジャンプコミックス)
読了日:03月17日 著者:空知 英秋
銀魂―ぎんたま― 69 (ジャンプコミックス)銀魂―ぎんたま― 69 (ジャンプコミックス)
読了日:03月17日 著者:空知 英秋
銀魂―ぎんたま― 68 (ジャンプコミックス)銀魂―ぎんたま― 68 (ジャンプコミックス)
読了日:03月17日 著者:空知 英秋
銀魂―ぎんたま― 67 (ジャンプコミックス)銀魂―ぎんたま― 67 (ジャンプコミックス)
読了日:03月17日 著者:空知 英秋
夜空の呪いに色はない (新潮文庫nex)夜空の呪いに色はない (新潮文庫nex)感想
階段島シリーズ最新刊。ここまで読んで初めて気づいた。私は七草から信仰を受けている真辺になりたい。否、かつて私の近くには、正に七草のような存在があった。このシリーズを読むたびに物語とは別のところで心が痛んでたびたび中断せざるを得ないのはそういう理由だろうと思う。
読了日:03月17日 著者:河野 裕
貧困の戦後史 (筑摩選書)貧困の戦後史 (筑摩選書)感想
貧困研究の第一人者らしくデータとエピソードでまとめられた戦後から現代にかけての貧困史。但し、あとがきにあるように貧困に陥っている人の具体的な人数や割合の掲載はない。私にとって戦後は遠い物語だが、貧困はかたちを変えて存在し続けていく。また、貧困は映画などの題材になりやすいので、読みながら既存の作品が思い出された人も多かったのではないか。貧困を自己責任にすることでそこへ陥ってしまった人への強烈なバッシングが生じる、という主張も、本書を読み終えるととても納得できる。
読了日:03月13日 著者:岩田 正美
おんみょう紅茶屋らぷさん ~この一杯に、すべてを~ (メディアワークス文庫)おんみょう紅茶屋らぷさん ~この一杯に、すべてを~ (メディアワークス文庫)感想
紅茶×陰陽師の物語。ラスボス倒して第一部完かな。一話目のアイスティーの話がよかった。アイスティーはキャンディもいいけどアールグレイもいい。フレーバーティーに手を広げると収集つかなくなるからこれでいいのかもしらんが。結局庶務の女子は暇だったんだな!という印象だったんですが如何。物語とは関係ないかもだけど、お茶というと思い出すのが日本語の「お茶が入りましたよ」の美しさ。美味しさの追究もそれはそれで美学だが誰とどこでどんな風にいただくかということも大事、ってことかな。色々な意味で、ご馳走さまでした。
読了日:03月11日 著者:古野 まほろ
ボックス21 (ハヤカワ・ミステリ文庫)ボックス21 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
売春婦のリディアが瀕死の重傷を負って運ばれた病院で人質をとり立て籠り事件を起こす。動機は何なのか。病院では同時に重度薬物中毒者が殺し屋に殺される事件も起きていた。…後味悪!!リディアが命懸けで訴えたことは結局闇に葬られる。この後味の悪い物語より現実の方が胸糞悪いんだろうけれども。それ故に物語で安易に大団円にしないことで読者の胸になかなか消えない楔を打ち込んだと言えるのかも。遠い北欧の物語で日本には関係ないと思ったら大間違い。解説を読んで恥ずかしくなった。恥と罪悪感の違いについて、考えた。
読了日:03月09日 著者:アンデシュ ルースルンド,ベリエ ヘルストレム
漂う子漂う子感想
『デフヴォイス』の作者が送る第二段長編は児童問題。カメラマンの直はモラトリアムな生活を送っていたが、彼女が妊娠し、思いがけず行方不明児童の紗智を探すことになる。その過程で出会ったストリートチルドレンや元被虐待児、児相の職員達から行方不明の子供たちの現状を知り衝撃を受ける。…行政ができることと現状のジレンマに共感。どこに解決策があるのか分からないけれども、一人ひとりがこの問題に関心を持ち続けるしかないのかな。少子化の一方で行方不明のまま子供が消えていく世の中は間違っているよね。
読了日:03月06日 著者:丸山 正樹
郵便配達人 花木瞳子が望み見る (TO文庫)郵便配達人 花木瞳子が望み見る (TO文庫)感想
郵便配達人瞳子シリーズ第4段、瞳子の恋愛編。ということで今回はグロくもないし連続殺人もなく最後はダイハード2も真っ青のアクション。飛行機の中の立ち回りとその後の展開にさすがに失笑を禁じ得ない。せめて空港とかじゃだめだったのか。容疑者は識字障害の方が分かりやすかった。周防の危なっかしい正義感がもっと暴走するかと思いきや。恋愛にエピソードを割いたせいか事件のが雜。まぁ、最終的には瞳子が幸せそうなんで、いいです…。次回は瞳子が真実を追い求める本能の根拠に迫るエピソードを読みたい、かな。
読了日:03月06日 著者:二宮敦人
上流階級 富久丸百貨店外商部II上流階級 富久丸百貨店外商部II感想
百貨店外商の、今回は桝家のご事情編。性的マイノリティ、シングルマザー、行き遅れや不登校、高齢シングルや障害者と富裕層も社会問題と無縁ではいられなくむしろ富裕層故の悩みもある。そこに外商としてできることはなにか?時には職務を逸脱して奔走する静緒にお客さまは感謝する。働き方改革とか言われてて、実際静緒はブラックな働き方なんだろうけど仕事によってはそういうものもある。仕事依存性になるのは困るけど、それでも仕事って人生の大部分を占めるもの。恩を売るって言葉は悪いかもだけど、全てのサービス業に通じる真理かも。

読了日:03月06日 著者:高殿 円
穢れた風 (創元推理文庫)穢れた風 (創元推理文庫)感想
あるオフィスで警備員が死体で発見される。取り調べるうちそのオフィスは風力発電に関わる会社であり、建設を反対する市民団体に手を焼いていることがわかる。更に建設に欠かせない土地の所有者である老人が愛犬と共に銃殺され、調べる刑事たちはプライベートとケアレスミスに阻害されなかなか捜査は進まない。…いくら何でも警察間抜けすぎないか。シリーズ初読みなせいか刑事の私生活描写が多すぎるように感じる。容疑者は多いが絞る過程は結局刑事のカン頼り?エコ産業の闇を暴くでもなく、登場人物も一癖も二癖もあり入り込めないままだった。
読了日:03月05日 著者:ネレ・ノイハウス
最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常感想
東大理?より倍率の高い東京藝大。そのカオスな実態に迫るインタビュー集。
クリエイターに憧れる。創りたい、表現したいという気持ちは、彼らにとっては本能のようなものなのだろうか。
学生の経歴は色々で元々違うことをしていた人も少なくない。インタビューではさらっと「藝大に行こうと思った」と語っているがそれなりの努力はあったのだろうし、その影には努力が報われないまま去った受験生も多いのだろう。ある意味、残酷な世界だ。
藝祭で学長の開口一番とミスコン見て、生演奏聞きながら屋台の焼きそばを食べたい。
読了日:03月03日 著者:二宮 敦人

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