4月の読書メーター

4月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:5571
ナイス数:134

BLUE GIANT SUPREME 4 (ビッグコミックススペシャル)BLUE GIANT SUPREME 4 (ビッグコミックススペシャル)
読了日:04月29日 著者:石塚 真一
ヘルプマン! !  Vol.10ヘルプマン! ! Vol.10
読了日:04月29日 著者:くさか里樹
ロボット・イン・ザ・ハウス (小学館文庫 イ 2-2)ロボット・イン・ザ・ハウス (小学館文庫 イ 2-2)感想
突然庭に現れたロボット、タングとベンの出会いを描いた『ガーデン』に続く第二弾。今度は、9か月のボニーと突然庭に現れたジャスミンという新たなロボットと、ベンの一家の成長の物語。心がほっこりします。
読了日:04月27日 著者:デボラ・インストール
ダンジョン飯 6巻 (ハルタコミックス)ダンジョン飯 6巻 (ハルタコミックス)
読了日:04月25日 著者:九井 諒子
政略結婚政略結婚感想
題名から、望まぬ結婚を強いられた女性の物語かと思いきや。高殿円は、時代に翻弄されながらも力強く生き抜いた三人の女性の姿を描いた。単純な女性vs男性という図式じゃなくて、敵は時代の価値観であったり身内や周りの女性であって、むしろ男性はそんな女性を見守るよき理解者なところもよかった。これを気に入った人は同じ作者のカーリーシリーズがおすすめ。新刊はまだですか…?
読了日:04月24日 著者:高殿 円
カーテンコール!カーテンコール!感想
舞台が終わって、余韻を楽しむカーテンコール…だけど女子大を卒業できなかった彼女たちのそれは「刑務所か!」というような卒業対策合宿であった。それぞれの、卒業できなかった事情と、お互いを助け合い、無事に卒業できるまでを描いた連作短編集。一つ目の短編が泣けて、この路線で行くかと思いきや、腐女子やフーテンや、ヘビーな家庭環境を抱えた子や、ちょっぴりホラーテイストありの盛りだくさんで楽しませてもらった。ある種の、家族小説であるとも思う。逃げていいんだ。逃げるための力を蓄えるんだという大切なメッセージをもらった。
読了日:04月19日 著者:加納 朋子
ミステリ国の人々ミステリ国の人々感想
ミステリ小説の登場人物を「ミステリ国の人」と表現して彼らが登場する作品と作者の魅力を語るエッセイ。日経新聞に連載していたものの単行本化。原則物故作家の作品を紹介しているためあまり耳馴染みのないものも多いかもしれないが、新刊に追われる今日この頃。古い時代の優れた作品を手に取るきっかけになるだろう…ていうかこういう本って読み進めるほど読書欲が増大する!あれもこれも読んでみたい!既読の作品もあるが、私が気づいていなかった魅力を語られると再読したくなる。どれから行こうかな…ああまた積読が増えてしまう。
読了日:04月19日 著者:有栖川 有栖
僕たちのアラル僕たちのアラル感想
将来のテラフォーミングを見越して作られた人工都市「スフィア」を舞台にそれまで平凡な生活を送っていた僕=拓真が様々な陰謀に巻き込まれていく物語。…設定の壮大さの割に「痕」的ダークなエロゲのバッドエンドのような物語になっているのが残念。或いはシリーズ化狙いか?
読了日:04月17日 著者:乾 緑郎
シネマコンプレックスシネマコンプレックス感想
地方都市のシネコン従業員が主人公の連作短編集。主にバイトで学生や主婦、フリーターなど立場はさまざま。地方都市で暮らす理由、決して楽ではないシネコンの仕事を続けている理由、何故か好きな人に好かれない理由。同じ立場になったことはないのに、誰にも共感させられる畑野マジックを今回も堪能させていただきました。物語はシネコンの改装を控え、彼らの日常がこのまま続いていかないことを読者に知らされて終わる。
読了日:04月15日 著者:畑野智美
滑らかな虹〈下〉 (ミステリ・フロンティア)滑らかな虹〈下〉 (ミステリ・フロンティア)感想
後味悪いだろうなぁとは思ったが、その予想を上回った。個人的に、障害者とその介護についてよく調べて書いていると感心したしこういう細かいディティールを疎かにしない作者の姿勢にとても感心した。しかし、それよりも、百音の父親のエピソード。百音と香住、真玲の後日談までしっかり書いているのにどうしてここをぼかしたままなの!想像は幾つかできるけど、どれもいまいちしっくりこない…。百音は本当は柿崎の子だったとして、そしてそのことは百音母しか知らなかったとしたら、あやめがいなければ知らずに恋仲になっていたかもしれない?
読了日:04月15日 著者:十市 社
滑らかな虹〈上〉 (ミステリ・フロンティア)滑らかな虹〈上〉 (ミステリ・フロンティア)感想
小5の百音のクラスでは担任の柿崎先生の発案で『ニンテイ』というゲームを行うことになった。ゲームに不安はあるものの親友の香住とも仲良くて学校生活を満喫していた。でも暗雲は次第に彼女の身近にも迫っていた…。細部までよく考えられて書かれている。『ニンテイ』のルールはよく考えられているし、それによって生じるいじめも一方的な加害者/被害者ではないところに妙にリアリティがあった。ただ、どのエピソードもこの物語の主眼ではないんじゃないかと、不吉な気持ちを抱きながらページを進めることになる。
読了日:04月15日 著者:十市 社
貧困と自己責任の近世日本史貧困と自己責任の近世日本史感想
定説や教科書によって作られた村人=貧乏のイメージを否定しつつ、資料から困窮者とは誰か、誰がどのように救済してきたかを検証する研究書。本書の趣旨とは外れるかもだが、英で今で言う生保受給者にそれとわかるバッヂをつけさせていた(日本にも同じような制裁はあり)のは驚き。欧州が優れていて日本は劣っているというわけでもないとも。本書は村という自治体と領主(公)との意外な関係性にも迫る。現在、村という概念は理解しづらいが、会社に置き換えてみると色々なことが腑に落ちる。元々この国ではお上をあまりアテにしてなかったのね。
読了日:04月15日 著者:木下 光生
アンデッドガール・マーダーファルス 2 (講談社タイガ)アンデッドガール・マーダーファルス 2 (講談社タイガ)感想
怪物専門探偵の一行に加えてルパンにホームズにオペラ座の怪人にモリアティーカーミラにジャックにと豪華すぎて胸焼けしそうなパーティー。もう誰が味方で誰が敵だか。洒脱な文章とキャラの魅力でぐいぐい読ませられ、随所に挟まれる嫌味のない小ネタからは、老成すら感じる。作者の年齢に改めて驚く。今回敢えてテーマを考えるなら、生命倫理、かな。ラノベと侮ってはいけない、絶対。
読了日:04月12日 著者:青崎 有吾
安楽死を遂げるまで安楽死を遂げるまで感想
欧米で主に活躍する日本人ジャーナリストによる安楽死ルポ。安楽死尊厳死、自殺幇助の区別がついていないこと、死への捉え方は国、民族による差異が大きく普遍化できないことなどが印象的だった。個人的に本書は事例収集が高じてあまりにセンセーショナルな気がするが、読了後、あなたはどうしたいのか?を考えるきっかけになればいいと思う。
読了日:04月11日 著者:宮下 洋一
真実の10メートル手前 (創元推理文庫)真実の10メートル手前 (創元推理文庫)感想
太刀洗万智の活躍を描く短編集。他の作家の作品と比べるのは失礼だけど、シーラッハの作品のそれのように、短編でありながら長編を読んだような気持ちにさせられる。事件があり、万智が真相を探るという構成は共通しているがそこから得られる読後感は全て異なっている。先立って『さよなら妖精』は読んでおいた方がいいかも。『王とサーカス』の感想でも書いた気がするが、知るということ、知ろうとすることの何と残酷なことか。その問いを読者に投げかけたまま、万智の去り際はいつもあっけなく、潔い。
読了日:04月08日 著者:米澤 穂信
R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室 ACTII (新潮文庫nex)R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室 ACTII (新潮文庫nex)感想
東京は「災厄」で壊滅し、被災者が「ゲットー」というスラムで暮らす世界。今回は、日本の企業も進出を躊躇するスラム街「ゲットー」にフランスの巨大マーケットが参入を計画しているがそれは日本の官公庁も含む組織ぐるみの少女売春の隠れ蓑だった、それを暴くお話。児相が噛んでいるというのは妙にリアルで怖かった。DVやつきまといとかを警戒して保護した女性や児童の居所を知らせないためにそういう性格の施設はあまり公にしないものだし、その長が悪の親玉ならやりたい放題とも言える。次回は9月フランス編。
読了日:04月07日 著者:古野 まほろ
最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下) (TO文庫)最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下) (TO文庫)感想
今回は福原と桐子の過去編。現在の相棒が過去に接点があったという王道な展開で個人的にはお互いにそれに気付かないままがよかった(あと、福原が幼少期は陰キャというのは意外だった)。次は是非、神宮寺編を読みたい。福原の元カノで彼らの間を取り持つ役割は物語上必要だけれどそれだけじゃなくて。この物語が残酷なところは、題名で死が確定していること。読者がどんなに生の継続を願っても最後に亡くなることは、題名で提示されている。私たちは一度しか人生を生きられないけれど、こうして物語を読むことで幾つもの人生を生きられる。
読了日:04月06日 著者:二宮敦人
最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上) (TO文庫)最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上) (TO文庫)感想
『桜を見上げて』の続編。これだけ読んでもいいけど『桜』は是非読んでほしい。前作では生きることに執念を燃やす福原と死を許容する桐子の対立軸が中心に描かれていたが今回はその統合か。よりよい生とは何かを考えれば同時にそれはよりよい死とは何かに繋がる。こういう考え方は本当に近年生まれたばかりで、西部邁の自殺も記憶に新しいが、本当によりよい死とは何かという問いは難しいしそれは一生かけて考えていくことなのだと気づいた。陳腐な台詞だが、正に生きてきたように人は死ぬということ。一つ目のチンピラの気持ちも痛いほど分かる。
読了日:04月06日 著者:二宮敦人
ライプツィヒの犬ライプツィヒの犬感想
劇作家の内藤岳はある日、ドイツの著名な劇作家ギジとその研究者桐山と出会う。その後ギジの元で演劇を学ぶためドイツへ向かうが、ギジは失踪し、新作の脚本の行方も不明。そんな中、稽古中に女優が負傷する事件が起こる。…東ドイツの遺産と芸術の世界と。いまいちぴんとは来なかったが、全てが明らかになった後、岳とギジの出会いのシーンの意味が反転するところがよかった。
読了日:04月04日 著者:乾緑郎

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